当センターの耳鼻咽喉科は、お子様の1)きこえ,2)ことば,3)飲み込み,などを主に診療しています
1)きこえについて
こどもの聴力検査
当科では,以下の検査を行っています。
a)聴性行動反応聴力検査:BOA
太鼓やブザーの音を聞いた時の反応を見ます。
生後0ヶ月頃から検査できます。
b)条件詮索反応聴力検査:COR
左右のスピーカーから音が出ると人形が光ります。
これを繰り返すと音がしただけで人形の方を向くようになります。
この反射を利用した聴力検査です。
生後6ヶ月頃から検査できます。
c)ピープショウテスト
音が出ている時にスイッチを押すと楽しい風景(おもちゃやビデオ)が見られるという原理で行う聴力検査です。
ヘッドホンで左右別の検査ができます。
3歳頃から検査できます。
d)耳音響放射:OAE
内耳の有毛細胞が音に反応するか調べます。ことばの発達に影響するような難聴がないか推定できます。
e)聴性脳幹反応検査:ABR
音刺激に反応する脳波を記録することで,どれくらい小さな音まで,耳から脳へ電気信号が伝わっている調べます。
f)聴性定常反応検査:ASSR
音刺激に反応する脳波を調べ,音の高さ別(周波数別)の聴力を測定することができます。
難聴への対応
難聴は,ことばの発達に影響することから早期発見が大切です。当科は、新生児聴覚スクリーニング後の精密検査医療機関として,難聴の診断・療育を行っています。
<当科での新生児聴力スクリーニング後の精密検査数>
難聴診断後は,補聴器装用児や人工内耳装用児への対応のため,補聴器適合判定検査機器や人工内耳マッピング機器を導入し,補聴器外来・人工内耳外来を行っています。
<当科での補聴器外来と人工内耳外来の延べ件数>
難聴児の療育のため,当センター併設の児童発達支援センター鼓ケ浦つばさ園では,難聴幼児通園クラス「わかば組」を開設しています。
2)ことばについて
お子様のことばの遅れ,発音の誤り,吃音などについて,言語聴覚士と共に発達検査や構音検査などを行い,言語訓練を行っています。
3)飲み込みについて
当科では,障害のあるお子様の飲み込みについてもご相談を受けています。飲み込みの難しさ(嚥下障害)について,嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査を行い,食事姿勢や食形態などについて関連するスタッフ全員で意見交換をしながら対応しています。
また当センターでは,入所児の重症化に合わせて,気管切開術や喉頭気管分離術の症例が多くなっています。
術後の気管カニューレの管理については、定期的な内視鏡検査や症例に応じたカニューレの選択を行い、肉芽などのトラブルが発生しないように細心の注意を払っています。
お知らせ
鼓ヶ浦こども医療福祉センターでは、令和4年度に、山口県から難聴児の相談支援等の業務を受託し、現在、「聞こえの相談窓口」を開設しています。
難聴と診断されたお子さまについて、不安や悩みがありましたら気軽にご相談ください。
詳細はリーフレットをご覧ください。